ロストマン

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大学で入ったサークルで出会ったのが和哉だった。 ひとつ年上で、彼は新鮮だった。私の知らない匂いがした。 そして魅力的だった。彼は何にも満足していなかった。大学にも遊びにも自分にも。飢えていて、私を求めてくれた。 邦彦と違う。私がいなくても十分に満たされている邦彦と。 そして、邦彦に満たされていない自分に気が付いた。 それに気付くと急速に和哉に引かれていった。 そして、邦彦と別れた。 愛されていることはわかっていた。まだ愛していることも。 でもそれだけじゃもう満足できなかった。 私のため。そして、邦彦がまた夢を追い掛けられるように。 別れが正しいんだと思っていた。
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