†第一夜† 薔薇学園

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暑い………… 《ここはどこ? なんでこんな所にいるの? 私は誰?》 あの日は私の小さな身体に夏の暑い日差しが突き刺さって、とても痛かった気がする。 いまからちょうど12年前、私が4才の時の一番最初の記憶になる。 ー12年前 夏ー 緑の深い森の中に一人の少女が大きな大木にもたれかかっていた。 『(ここ……どこ)』 少女は力の入らない体で当たりを見回そうと頭を動かした。 カサッ… 『………?』 少女は音のした方を見た。 そこには全身に黒を身に纏った男が少女の目の前に立っていた。 「お嬢ちゃん、一人かい?」 コクン 少女は小さく頷いた。 男はニヤッと笑い手が少女に近づいてきた。 少女は男の手を黙って見ていた。男の手が少女の首に触れたとき、ペキッっと小枝の折れる音がした。
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