君に会いたいときがある

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ライターの火が薄暗い部屋を照らした。 薄暗い部屋の中を紫煙が上り、そして消える。静かな部屋の中、真はため息混じりの煙を吐き出した。 ドラマの撮影が嫌なわけではない。自分ではない人間を演じると新しい発見があったりして楽しいこともたくさんある。 けれど亮に会えないのが寂しいと思ってしまう。 特にこうして一人でいるとその思いがさらに深くなる。亮に会いたい。触れたいキスしたい抱きしめたい…… (亮、今何しとんのやろう?) もう二時。もう夢の住人だろう。 たった二日会えないだけ。その後はレギュラー番組の撮影があるため必ず会えるのだ。しかし悶々と考えてしまうのだ。 亮は季節の変わり目に弱く風邪を引きやすい。大丈夫だろうか?人が気にしない些細なことで悩んだり落ち込んだりしてないだろうか? (あぁ!なんや、自分らしくないわ!) 枕元にある携帯電話を手にし、亮に電話をかけた。 「もしもし?」 「まだ起きとったんか?」 「寝てると思ってんやったら電話なんかかけてくんな」 そう言う亮の声は少し笑っているように真には感じられた。 「どないしたん?珍しいやん。真が電話かけてくるなんて」 「別に……」
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