涼しい牛の刻

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純也ははっと目覚めた 見慣れた6畳ワンルームの部屋… 昨日、仕事場の仲間とだいぶ飲んだらしく、寝た記憶はなかったがそれは特に気にならなかった、 「あぁ、またかよ…」 純也は煙草に火をつけ、昨日の事を思い出していた 時刻は二時 外から風がふく、 ふとそちらをみたら、寝る前最後の力で開けたのだろう、窓が大きく空いていた。 …しかし8月の熱帯夜からの風にしてはやけにひんやりしていて… はっ、と視界の端に映る玄関に気配を感じる… 霊感はない が、ただならぬ気配がする、 猛暑のはずの夜は一瞬にして凍りついた すぐになにか確認すべきだ… しかし…視界の端にゆらつくそれをみれない だって怖いっしょ。 血の気が引き、異様な汗をかくなか、振り向いたときにそこに誰かいた時のことをかんがえる… 髪がやたら長く、 手も足首近くまであってて、 ボロい白い服を着ていて、 背が2m20くらいの大女… 「わぁー!!!」と悲鳴をあげた瞬間 そいつは口を林檎くらいの大きさに開けて大声で笑い、その異様に長く細い腕でよつんばいになり歩く 慌てて逃げようと、ベランダに出るが、 あいにくうちはマンションの12階… 殺される!! 飛び下りれば、この高さ、即死だろう しかし、行かなければ得たいもしれないものによって俺は… ふと、背後にぴったりと張り付く気配 もう一度 ゆっくり 振り向く
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