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「あの、ですから―」
「その検事なんだけどね…おかしいなぁ、1時には着くって言ってたのに…」
「あの!」
青年の大きな声に一同の声はピタリと止んだ。
「君まだいたのか。さっき言った通り、ここは弁護士事務所じゃない。それに私は今日来る新しい検事の事で忙しいんだよ。」
「ですから俺がその検事です!」
青年が少し声を荒げながら言えば中年の男を含め一同からは間抜けな声が漏れた。
『は?』
青年はそんなことは気にせず
「ども、市ノ瀬真でーす。ここに来る前は新潟地検の中越支部にいました。ちなみに歳は25です。どうぞ皆さん宜しくお願いします。」
そう言って深々と頭を下げてから顔を上げると真は一同に白い歯を向けて笑いかけた。
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