運命の出会い

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『dolce』までは電車で二駅。 高校のあるこのあたりは、静かな住宅地で、あたしも歩いて通えるとこに住んでる。 一方、二駅すぎると、ガラッと景色がかわり、デパートやファッションビル、おしゃれなカフェが建ち並ぶ街で、あたしたちの遊びスポットになってる。 「早く!早く!」 と、走る香奈を追いかけて校舎を出ると、ジリリと夏の太陽が照りつけ、思わず後退りした。 見上げると、雲ひとつない青空に目を細める。 もうすぐ、夏休み。 今年は何しよっかな…。 なんて考えていると、 「もぉー!しょこ!何してんの!行くよっ!」 と、香奈が駆け寄り、あたしの腕を掴むと勢いよく走り出した。 あたしは足がもつれそうになりながらも、香奈に引きずられるように走る。 ふと、後ろを振り返ると、雅美が日傘をさして、涼しげに歩いてきた。 駅まで、走って2分。 すぐに、メルヘンチックな駅舎が見えてきた。 .
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