運命の出会い

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振り返ると、雅美と同じくらいの長身で美人の女の人が手を振っていた。 「あ、真昼さん!こんにちは。賑わってますね。」 確か、ここの店長さんだったよな…と曖昧な記憶を辿っていると、 「混んでてごめんねーっ!」 と彼女が駆け寄ってきた。 「店長の川嶋真昼(まひる)さんだよ。」 と、雅美が説明する。 「知ってる!ここのモデルもしてるんですよね!握手してくださいっ!」 すかさず香奈がスカートの裾で手を拭き、真昼に握手を求めた。 「あたし、松田香奈です!こっちは伊藤翔子!」 香奈に紹介され、あたしは慌ててお辞儀をする。 真昼は香奈の手を握り返し、 「雅美ちゃんのお友達だよね。よろしくね!」 と、微笑んだ。 真昼は22歳ながら、『dolce』のモデル兼本店の店長をこなしている。 そもそも、『dolce』は、真昼の父、川嶋総一郎が立ち上げたブランドで、家族でここまで成長させたのだ。 これも以前雅美から聞いた情報で、そんな真昼に憧れてるって雅美は言ってた。 モデルかぁ…。 ちらっと店内の奥に目をやると、大きなポスターにかっこよく服を着こなし、ポーズを決める真昼の姿があった。 .
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