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帰りの電車の中でも、話題は朝陽のことでもちきりだった。
「あたし今日手洗わないよ!」
香奈は握手した手を大事そうに握りしめた。
「翔子も握手してもらえばよかったのに。」
と、雅美がひらひらと手をちらつかせる。
「…うん。」
あたしはそう答えつつも、握手できなかったことより、目があって離れなかったことが気になっていた。
なんだったんだろ…。気にしすぎかな。
そんなことを考えているうちに、あたしたちを乗せた電車は光ヶ丘駅につき、そこであたしたちはいつものように手を振り別れた。
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