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彼女の頭の回転は早くて怒涛の攻めについていけない。
当時あたし恥ずかしいけどYUKIちゃんに憧れてして吹奏楽部の友達とバンドを組んでいた。
メンバーは大学に進学してたからプロを本気で意識してたあたしとは温度差があって余り仲は上手くいってなかったけど。
「ライブ来てくれてありがとう。でも真面目に聞いてくれてたのあーちゃんだけだよ。
あとはヒロと武の彼女とか友達ばっか。
全然聞いてないんだもん。
練習出来てないから恥ずかしかったぁ。
っていうかごめんって謝るのおそーい!」
すねてストローのゴミを丸める。でもお世辞を言わない彼女だから良かったって言ってくれたのは励みになる。
「悪かったって,遅れたのは。
結の声はいいよね。私は好き。あの最後の曲は結でしょ?あれだけだよ,良かったのは。月見草って結にぴったり!
あー,それとゴミ丸めるの止めてね。見苦しいから。」
褒めるのか怒るのか,どっちかにしてよ。
「次,ライブ予定あるの?」
「・・・・ない。」
「駄目じゃん⁉やっぱ就職したほうがいいよ?
他にメンバー捜せないんでしょ?あなたの性格じゃ。
大胆なのか小心なのか。
結にはやっぱり私が必要ね。」
確かに,貴女は大切な友達。月見草は麻美を想って作った曲なんだよ。
「じゃ私授業あるから行くね。
結もバイト遅れないようにね!」
だからあたしは時間守るってば。
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