出会い

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青年は、雨に当ったのかかなり塗れていた。 そのままカウンターへと進むと、店員に何かを話して席に腰掛けた。 カウンターまでの距離が有り過ぎて会話は聞こえない。 その店では、彼の姿は店内の目を集中させた。 それ程までに彼は余りにも無防備だった。 暫く観察したが、彼はこの店に偶数足を踏入れた感じだった。 唯、飲みたくて、唯、酔いたくて、そんな感じだった。 カウンターの毅と二言三言話すと、彼は今にも泣き出しそうな雰囲気がした。 僕の目は彼に吸寄せられる様に離す事が出来なかった。 ―羽柴 遼― 後からこの名を知る事になった。
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