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「な、なにがあったのよ…?」
葵は目一杯に涙を溜めながらボソッと言った…
「…んだ…」
「えっ!?聞こえないよ…」
「ミュ~?」
しばらくの沈黙…
葵の涙が頬を滑る…
「オレの目の前で死んだ…
当時、オレの唯一の友だちだった仔猫が…トラックに引かれてな…
それから猫が怖くなった…
見るだけで体が震える…
オレのせいで、また死なせちまうんじゃかって…
だから…
ッ…美姫…」
泣き止まない葵を抱きしめる…
少しは落ち着いたかな?
「いつもは逆だよね?
たまには私にも頼ってよ…
私、葵の役に立ちたいの…
大丈夫…大丈夫だから…
葵と関わって死ぬなんてあり得ない…
だから、この仔猫は死なないよ?
ねぇ?」
「ニャンッ!!」
「…ありがとう美姫…それに仔猫ちゃん…
でも、やっぱりまだ無理だ…
猫を見ると思い出しちゃうから…」
葵は涙を拭いながら私から離れた。
「うん…
でも、一歩前進でしょ!?
…なんか私、この子好きになっちゃった♪
仔猫ちゃん?私の家に来ない?」
「…ニャッ!!」
仔猫はまるで、「…イヤッ!!」と言ったかのように鳴き、プイッと顔を反らした。
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