迷い猫

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葵はうつ向きながら小石を拾い、噴水に投げ込んだ… 「……めて……」 「ん?なに?」 聞き返すと、葵の動きがピタリと止まった。 やっぱ、言いにくいよね… 「…無理しなくていいよ葵… 姫、帰ろうね…」 そう言って葵に背を向ける… その時、不意に涙が瞳に溜った… 私はあの保健室でされたキスが初めてだったんだよ? 「ま、待てよ!! ッ~…/// 初めてだよッ!!/// あの…保健室でしたキスが…/// だいたい、人を好きになったのも…美姫が初めてなんだ…///」 顔を真っ赤にしながら叫ぶ葵… なぜか、芝生をズボズボ抜いている。 「嘘…」 「マ、マジ…/// 実は恋愛経験浅いんだよ…オレ…」 葵は噴水の水で手を洗いながら恥ずかしそうに言った。 「好きになったの私だけなの? ホントに!?絶対!?」 「ホントだよ… だいたい、美姫だけ心配してると思うなよな! …美姫、毎日のように告白されるからさ、オレだって心配なんだよ… オレなんかよりいい男が出来たとか言われるんじゃないかって… また一人になるんじゃないかって毎日心配してるんだからな… オレだけを見ていて欲しいって、常に思ってるよ…」
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