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…茜には心配かけたくない…だから言えない…
「頼り…ねぇ…
自分の事は自分でなんとかしてぇし。
それに、茜に干渉されたくねぇ」
「なんで…?なんでよぉ…
アタシの気持ちも知らないで!!!
慶次なんて、大ッ嫌い!!!」
そう言って涙を流しながらは立ち去った。
最近、茜を泣かしてばっかだな…オレ…
「ゴ、ゴメン…前川くん…
ボクのせいで麻生さんと…」
「気にすんな!
蒼牙のことはオレに任せな
また呼び出されたら、すぐオレに報告しろ
いいな?」
「う、うん…
ありがとう、前川くん」
そう言って隣のクラスの男子はオレの前から立ち去った…
まだ終わらないだろうな…
あの豚がそう簡単に諦めるとは思えねぇ…
校舎を吹き抜ける冷たい風が、桜の木を揺らした…
「チッ…春だってのに、肌寒いな…」
そう独り言をこぼし、誰も居ない、高等部の校舎裏を去った。
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