2627人が本棚に入れています
本棚に追加
「はい、これ北条の分ね」
「ありがと…
意外と優しいじゃない…
松平ってそんなヤツだっけ?」
ペロリとリンゴ飴を舐めながら北条が質問してきた。
「さぁね。
自分でも良くわからない…
でも、最近の自分は結構好きかな?
昔の自分は…嫌いだ…」
チリチリと顔に熱を与えてくる裸電球…空は真っ暗だが、その光が北条の顔をくっきりと照らし出した。
「ふぅ~ん…奇遇ね。
私も昔の自分より今の自分の方が好きよ…
葵さまと出会って、アナタ達と話すようになってから、心にゆとりが出来たような気がするの…」
心にゆとりか…
確かにそうかもしれない…
「…なんて言うか、葵が学園に来てからみんな変わったよね…
ボクや北条…ケンカ三昧の慶次に、良く笑うようになった神無月さん…」
口の中に甘い蜜が広がる…
でも、悪くない味だ…心が落ち着く…
それにこうやって北条と話すのも…
「…悪くない…かな?」
ボソッとそう呟く…
当然声は、おはやしの音や、人混みの雑踏によってかきけされた…
「そうね…美姫は変わったよね…前川もさ…
つうか、私たち5人がくっつくなんて、良く考えるとあり得ないことよね!!」
最初のコメントを投稿しよう!