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魔女っ子るったん★
満月の不思議な夜に…
アイツは降ってきた。
『ッ…フ~…ヒマだー…』
俺は玲汰。俺が今、タバコをふかしながらとくに面白くもない夜空を見上げていたのは、最近全くもって面白い事がないからだ。
あー退屈だ。なんて思ってると
いきなり目の前で流れ星が一筋通り過ぎた。
いや。こっちに来る。
『ッぅぉおッΣ!?』
驚いて座っていた所から遠ざかると、そこに流星は落ちた。
いや。正しくは…流星ではなく…
『ひ、人?』
そぅ、確かに人が。
グッタリと横たわっていた。
『じ、冗談だべ?あり得ねぇ…』
いきなりの事態に混乱したが、とりあえず俺は声をかけてみる事にした。
『ぉ、おいお前…大丈夫か?』
すると声に反応して、ソイツはいきなりガバッと起き上がった。
『ここ、どこ?』
ってぉい。コイツ頭平気か?
そぅ思いつつ、俺は
『此処は、俺ん家だべ。お前、いきなり空から落ちてきたんだけど…大丈夫か?』
とりあえずこう答えた。するとソイツはいきなり、
『ふぇ…』
泣き出しやがった。
俺は慌ててソイツを宥めにかかった。
しばらくすると落ち着いたのか、ソイツは自分の身の上を話し始めた。
『ぁのね、るったんね、おししょうさまのしゅくだいをやらなきゃいけなくって、人をたすけてこいっていわれて、ほうきにのってきたんだけど、とちゅうでおちちゃって、きづいたらここにいたの。あとはよくわかんない。』
俺は軽く目眩がした。
ダメだ。電波系の妄想にしか聞こえない。
ってか一体なんだよるったんって。
俺が胡乱気な目で見ているのに気付いたらしい、『自称るったん』は、慌てて身分証らしき物を引っ張り出して俺に見せた。
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