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「で、悠は七夕の短冊になんて書いたの?」
悠とは僕の名前だ。
正確には悠汰なんだけど彼女は悠と僕を呼んでいた。
姉ちゃんが僕の顔を覗きこんで聞く。
僕は姉ちゃんに見られて少しドキドキしてしまった。
「えっとね、パイロットになりたいかな」
「ふうん、悠は大人になりたいんだね……」
姉ちゃんは寂しそうに笑う。
体育座りをしていた腕をぎゅっとして、すこしかがんだ時に見えた首には赤黒い痣があった。
僕はまた彼女の父が暴れたのだと思った。
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