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「え,」
もしかして,あの超美人は時雨さん…?
「もしかして,気付かなかった?」
また,含み笑い.引き寄せられるような口元.眼鏡のレンズの向こうの何事も見透かす様な鋭く綺麗な目.
ふわり.風がふいて,蝶が舞う.微かに覚えのある香水の匂いを,煙草の匂いの中に感じた.
「バイト前だったし分かんなかったかもね.あ,私キャバクラでバイトしてる.」
何の躊躇いも無く,さらりと言う.梨恵は高校2年だ.18歳未満,しかも高校生は入店出来ないはずだ.
「…もしかして,詐欺った?」
聞いてはいけない気がしたが,恐る恐る聞いてみる.
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