事実は小説より奇なり

4/11
前へ
/117ページ
次へ
「それにしても、残酷な殺し方だね」 秀吉が晶が食べ終えた食器を片付けながら言った。 「お腹を喰い破るなんて…どんな怪物なんだろう?」 (あんな怪物だった…とは言えないよなぁ…) 冷や汗を流す亘。 「てか父さん、飯食ってる最中にそういう話止めてくんない?」 「あはは。ごめんごめん」 亘、一人目の色が変わってる人がいるよ。 「へ?」 「…妖怪ね!」 ほらね。 「か、母さん…?💧」 「これは妖怪の仕業よ!!」 「あ、晶…?」 スイッチ入っちゃったね~。 「人を食べる妖怪かぁ、一体何かしらねぇ!?」 「か、母さん落ち着いて…!」 「化け猫!?人喰い鬼!?山姥!?」 「いや山はないって!ここ都会だから!晶、落ち着きなさい!!」 いくら民俗学大学教授だからってハマりすぎじゃない? 「もはやマニアの域だな」 「あぁあぁぁあ知りたいわ!!知りたいわぁぁぁ!!!」 「と、父さん、お、俺学校行くから!じゃ!!」 あ、逃げた。 「わ、亘!父さんを置いて行かないでくれぇぇぇ!!」 「I want to know!!!!」 亘があとにした家の中から何故か英語がこだましていた。 と、言うわけで学校に到着。 「………」 ん?どうしたの?亘。 「……いや、もう便利だからいいや」 と、そこに自称『二代目戦うオタク(勝手に〇原崎から受け継いだ。)』遠藤登場。 「お!カ〇ーユ珍しく遅刻してねぇじゃねぇか」 「だから名字で呼ぶんじゃねぇ!!」 「そんなことより、昨日そこの竹梅ビルの横で殺人事件があったんだってな」 遠藤は何故かノリノリだ。 「あぁ、今朝ニュースで見たよ」 「腹を喰い破るなんて、一体どんなゾンビなんだろうな~!」 あれ?何か晶とノリ似てない? 「てか何でゾンビ限定?〇イオハザードか?」 「〇ッカー!?いや、〇ルベロスか!?」 「落ち着け!ここは〇クーンシティじゃねぇぞ!」 でも当たらずとも遠からずってところじゃない?人の形をしてたって点では。 「ま、まぁそうだが…」 「ヤバいぞ!いずれ〇―ウイルスがこの街に充満し、〇イラントや〇跡者がやってきて皆殺しに…」 遠藤はまだ叫んでいる。さすが自称『二代目戦うオタク』だ。周りの目線に見事に立ち向かっている。 「でも何故かすごいとは思えない…」 そんなことより、もっと大切なことがあるでしょ。 「…当麻だろ。分かってるよ」
/117ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2257人が本棚に入れています
本棚に追加