事実は小説より奇なり

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飛びに飛んでお昼休み~! 「なぁ、何でそんなノリノリなんだ?」 今日久しぶりの休みなんだ~! 「あ、さいですか」 「神雄君」 「だから名字で呼ぶんじゃ―――!」 あ、亘!止め―――! 「え…?」 「あ…、と、当麻…💧」 あ~ああ~、ちょっと涙目になってるよ。案外打たれ弱いんだね。 「あ…その…」 「ち、違うんだ!💦これは、その…!な、なんつーか勘違い!そう、勘違い!頼む、泣かないでくれ~!💦」 必死必死。 「カ〇~ユ~…何当麻さんを泣かせてるんだ~…?」 あ、亡者再来。 「あ゛ぁ゛~もうメンドクセーよオメーら!!💢」 おぉ、亘が爆発したぞ。 「おい神様!!てめ見てないでたまには何とかしやがれ!!」 それがものを頼む態度? 「い゛い゛がら゛~…!!!」 あ~、はいはい。しょうがないなぁ。 と言うわけで屋上。 「ったく、よーやく役に立ったな」 「あ、あれ?私達いつの間に屋上に…?」 「んぁ?おい、他人には認識出来ないんじゃなかったのか?」 ん~、今回は亘の近くにいたし改ざんをまともに受けた。それに彼女も『異能の力を持つ者』みたいだしね。私の影響を受けずらいだろう。 「『異能の力を持つ者』…」 そういえば、彼女さっきから何か屋上の扉に貼ってるよ。 「当麻、何やってんだ?」 「防音、及び施錠の霊符を貼っておく。聞かれでもしたら面倒なことになるから」 「ふ~ん…」 「これでよし」 撫子はお札を貼り終えるとフェンスにもたれ掛かって座った。亘もその向かいに腰を下ろす。 「さぁ、説明してくれるんだよな?昨日のあれを」 「もちろん、それはする」 頷く撫子。 「だから、そっちも説明してくれるんだよね?」 「へ?」 あれ? 「あなたも、『異能の力を持つ者』なんでしょ?」 「なっ…!?」 「あなたの独り言。とても異常者のそれとは思えない。それにあなたからは普通じゃない力、霊力でもなければ妖力でもない、何かもっと別の力を感じる。今さっきも。いきなり屋上に来たような気がしたのも、あなたの力なんじゃないの?」 不思議系電波少女かと思いきや意外に鋭いねぇ。 「そ、それは…」 「説明してくれないなら説明しない」 「…はぁ。変人って思われたくなかった…いや、元々変人のレッテルは貼られてたか…」 亘は深くため息をついた。
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