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この世界の神と対話をする事が出来る能力、『神託(オラクル)』。それがこの少年の能力なのだ。
「さっきから誰に説明してんだよ。頭おかしくなったか?」
むか💢神に向かってなめた口を叩くじゃないか。
「は、こんなのが神様とはね。この世界終わってるな」
ほ~言うねぇ…。ならば思い知らせてやろう、神の力を!
「何が神の力だよ。俺はちゃんと知ってんだぜ?お前が直接俺に危害は―――」
始業時間まであと三分。
「な、何!?さっきまであと七分ぐらいあったのに…あ!てめ世界情報改ざんしやがったな!?」
ほらほら、早くしないと遅刻だよ~!
「こんなことで無闇に世界情報を改ざんしてんじゃねえ!職権濫用だぞ!」
そう空に向かって叫びながら亘は学校へと続くおよそ500mの坂道を駆け足で上り始めた。
「さ、坂道なんか無かっただろ!?勝手に作り変えるな!」
神様バカにした罰だ。
「クソッタレェェェ!!!」
そんな亘の叫び声は青空に虚しく響いた。
†
一時限目終了。
「ぐはぁぁぁぁぁ…」
そんな重いため息を吐きながら亘は机に突っ伏した。
「誰のせいだと思ってんだ…」
寝坊した君。
「なら起こしてくれりゃいいだろ!💢」
亘、私の声は他人には聞こえないんだからそんな立ち上がって大声出すと―――。
「うわ、何あいつ」
「キモーい」
ほら、クラスのみんなの視線が冷たい。
「だから誰のせいだっつーの!💢」
ん。亘、一人だけ違う視線の女の子がいるよ。
「あぁ?」
ほら、一ヶ月前に転校してきたセミロングの黒髪の当麻撫子(トウマナデシコ)ちゃん。
「あぁ、当麻か」
そう亘は少しだけ小声になって席に着いた。
「…なぁ、ちょいちょい説明入れるのやめね?」
これが私の仕事だし、これが無くなったら今何が起きてるのか分からないじゃん。
「誰が?…まぁいいや。あいつ何か知らねーけど転校してきた時からチラチラ見てくるんだよ」
頭のおかしい人だと思われてるのかな。
「だーかーらー…!💢」
でもまんざらじゃないんじゃない?あんな美人にチラチラ見られるんだから。
「確かにそれが哀れみや軽蔑の視線じゃなかったら素直に喜べるんだがな」
その時、撫子に一人の男子生徒が話しかけた。
「あ、あの、当麻さん////」
顔が赤い。多分デートに誘おうとしてるんだな。
「…どーでもいいけど楽しそうだな。神様よ」
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