眠り羊を抱き締めて……

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  ――よろこんで!――   俺は即答した。   「あはっ、うれしいです!では、失礼いたします」   彼女は嬉しそうに、ぱたぱたと小さなしっぽを動かし、はにかむ。     〝ぼわっ〟     彼女がそう云ってベッドに乗っかってくるのと同時に、もくもくと煙が広がり、現われたのは大きな羊の抱き枕だった。   「は?」   俺は泣く泣く、そのふわふわの枕を掻き抱く。   「良い夢を――‥」   ぬいぐるみと云った方がしっくりくる愛らしいそれは、人型時のままの声音で告げた。   「おう」     ――その日、俺が枕を泣き濡らしたのは云う迄もない。
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