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「…そっかぁ」
拍子抜けするくらいのあっけない反応…
否定しないの⁉
説教しないの⁉
「やめなよって言ってもらいたいの⁉他人にごちゃごちゃ言われるの、嫌でしょ。あたしは…止めてもらいたいって思ってる人なら止めるけど。今…そう思ってないでしょ⁉自分でそうしたいって思ってるんだから何も言わない」
…なんだかカナがすごく大人になった気がする。
母になった余裕⁉みたいなものも感じられて…
「娼婦って、必要悪な気もするの。買う人がいるのも事実で。それによって性犯罪が減るんなら…ってね。すっごく昔っからあったショーバイだもん。なくなんないよ」
…昔から人の気持ちを読むのは得意な子だったけど。
こんなに理論立てて話すカナをはじめてみた。
「なんてねー。照れるね語ると。あたし近くに住んでるから連絡してよー」
驚いてるあたしの視線をとらえてカナがはにかむよーに笑った。
笑顔は変わらないのに…
カナは頼れる人に変わってた。
カナとの再会は…
これからの自分にとって大事な出会いになる事を、まだあたしは知らない。
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