きっかけ。

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「今日はちょっと」 そんな曖昧な理由でカナが行かない事が増えてきた。 あたしはまだ一人で行ける程の勇気もなくて、カナが行かないならあたしもやれない。 もう一週間行ってない。 欲しいミュール見つけたのに買えないじゃん。 「実は…ね」 はにかむカナ。 「好きな人が…できたんだ。まだ片思いだけど…そしたら他のヤツとやるのイヤんなっちゃったんだよ」 …青天の霹靂。 この間学校でならったばかりの熟語が頭に浮かんだ。 つかヘキレキってどやって書くんだっけ。 びっくりしてそんな余計な事しか思い浮かばない。 「だからあたし…援交やめる」 …淋しいじゃん。 でもあたしはカナを止めなかった。 あたしはやめられないけど。 カナの決断は別に悪くないって思ったし。 カナはあたしとは別人格なんだから違って当たり前だ。 …なんて割り切れない淋しさもあったけど… でもこんな時に 「あなたもやめなよ」 なんていい子ぶった台詞を吐かないカナがやっぱり大好きだ。 あたしはこの日から一人で援交を繰り返しはじめた。
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