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「…千春!!千春!!」
ぇ。私を呼ぶ声が聞こえる…。
誰だろう…。
「…千春!!いいかげん起きなさい!!」
ぁ、お母さんの声だ…。
背中がジーンとする…
ジーンとする……
って
「イ゛ッテェ!!!!」
大声を出して痛がる千春。
「何すんのよ!!痛いよ!!」
「何言ってんの。学校遅刻するわよ!!早く飯食って出てけ!!」
「女の子に向かってひどいこと言うわね!!
いくらお母さんでも…
呪文で痛め付けるわよ!?」
「ふん。ごめんね千春。呪文が使えなくなったのは知ってるわよ?残念ね。
早く学校行きなさい!!!!!!」
「ぉ…お母さんの馬鹿ーー!!」
ご飯も食べずに、
千春はバックを握り、
家を出て、学校へと走りだしていった。
その様子を、窓からにっこりと眺めている母と兄。
「おいおい。いくらなんでも厳しすぎだよ母さん…。
千春泣いてたぜ?」
兄が、あきれ顔で母に言った。
「そうかしら。あの子ったら、世界を救った~とか言って調子にのったのか…最近、家で全く勉強してないのよ?」
「ははっ、母さん。あいつは、ちゃんと学校で勉強してるから心配いらないさ。」
「そうかしらねぇ?」
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