呪文S─2nd

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「…千春!!千春!!」 ぇ。私を呼ぶ声が聞こえる…。 誰だろう…。 「…千春!!いいかげん起きなさい!!」 ぁ、お母さんの声だ…。 背中がジーンとする… ジーンとする…… って 「イ゛ッテェ!!!!」 大声を出して痛がる千春。 「何すんのよ!!痛いよ!!」 「何言ってんの。学校遅刻するわよ!!早く飯食って出てけ!!」 「女の子に向かってひどいこと言うわね!! いくらお母さんでも… 呪文で痛め付けるわよ!?」 「ふん。ごめんね千春。呪文が使えなくなったのは知ってるわよ?残念ね。 早く学校行きなさい!!!!!!」 「ぉ…お母さんの馬鹿ーー!!」 ご飯も食べずに、 千春はバックを握り、 家を出て、学校へと走りだしていった。 その様子を、窓からにっこりと眺めている母と兄。 「おいおい。いくらなんでも厳しすぎだよ母さん…。 千春泣いてたぜ?」 兄が、あきれ顔で母に言った。 「そうかしら。あの子ったら、世界を救った~とか言って調子にのったのか…最近、家で全く勉強してないのよ?」 「ははっ、母さん。あいつは、ちゃんと学校で勉強してるから心配いらないさ。」 「そうかしらねぇ?」
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