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「…おい、親父」
「んー?」
「止めなくて良いのか?」
「ああ、構わん」
「破壊されてるぞ」
「金はとるさ」
と、珍しく会話が続く黒と赤紫の髪の親子。
黒の髪はこの喫茶店のオーナー
名前はアシュラ。
カウンターに座って珈琲を飲む赤紫の髪はオーナーの息子
名前はアレク。
そして…。
喫茶店の中で喧嘩をしている常連と初めて来る客。
「…なぁ、止めていいか」
「ほっとけ、そろそろアイツらがくる時間だ」
「…なら良いか」
アレクは珈琲のマグカップをアシュラに渡す。
つまり、おかわりだ。
アシュラは面倒臭そうに受け取り珈琲を煎れてやり三角に切ったケーキを添える。
「新作だ」
「おっvV」
仲は悪いが実は甘党親子はケーキ類に目が無かったりする。
息子の方が特に甘党だったりする。
「おっと」
いきなりグラスが飛んで来てアシュラは受け取る。
大人しくしているこっちまで喧嘩に巻き込まないで欲しいな、と、アシュラは苦笑して流し台にグラスを置いた。
「なんの騒ぎだ?」
カランカラン…と、小さな鐘の音がして聞こえた声。
「アシュラさん!センリもケーキ!」
アレクが食べてるケーキに直ぐに眼が行った小さな悪魔族の子供。
そして、ドアを開けて苦笑した青年の悪魔族。
二人はここの常連だった。
センリはカウンターの席に座るアレクの隣の席に座り、アシュラはアイスミルクティーと一緒にケーキを出してやる。
センリの隣には青年の悪魔…兄のセシルが座った。
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