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「…まだ笑ってんのか…馬鹿息子」
殴られても未だに必死に笑いを耐えているアレクの頭をもう一発殴りカウンターに戻り、アレクは頭を擦りながらカウンターの席に座った。
「…いくら徴収したんだ?」
「聞きたいか?」
「…いや、やめとく」
聞きたかったセシルだが、桁が恐ろしそうだから止めといた。
苦笑しつつセシルは紅茶を一口飲み改めてアシュラを見上げる。
「…で?アイツらにはまだ見つからないのか?」
「セシル、俺を殺す気か?」
アシュラは頬を引くつかせて言うと、アレクは首を傾げた。
セシルは紙にペンでサラサラと文を書く。
―アシュラは悪魔と天使の間の子なんだよ―
「え…マジかよυ」
悪魔と天使。
それは一番の禁忌だ。
間の子は堕天と呼ばれ見付かり次第即刻死刑が確実な存在。
アレクはアシュラを見上げ、アシュラは頷いた。
「ん?でも…五本の指に入るんだろ?」
「俺から見たら、な」
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