おとうさん、おかあさん、わたし

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優しかったおとうさん。いつも笑っていたおかあさん。 あれから、長い長い時が流れました。私はすっかり大人になって、生かされ続けています。 ただ、空っぽになってしまった心の中にかすかに残る染みをなぞりながら、真っ暗な暗闇が色づくのを待ち焦がれながらも、今を生きています。 そんな私をどこか名前も無いような場所から、見守ってくれていますか? いつになれば、逢えるのでしょう。 わたしの人生と、わたしの気持ち。辛かった日々と、掘り返したくない過去。 それをここに告白します。 おとうさん、おかあさん。 あなたたちが居なくなってからわたしは、こんな生き方しか、出来なかった。ごめんね。 でも今でもきっと、わたしを愛してくれているよね。 わたしも、愛してる。
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