序章~拓也のstory~

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 最後らへんになると一週間前の日記になった。 【今日、たくちゃんと二人で星を見た。しかも流れ星を見たよ。たくちゃんとずっと一緒にいられますようにってお願いしたよ。たくちゃんは私の気持ちわかっていないみたい……。私が好きなのはたくちゃんなのに……】  えっ? 流れ星にお願いしたの本当だったんだ……、しかも真央が俺を好きだったなんて……。  そして、あの最後の日の日記。 【たくちゃん怒って出ていっちゃった……。ごめんねたくちゃん……。私、今日たくちゃんに好きって伝えようと思ってたの……。でもいざとなると、たくちゃんのことからかうことしかできなくて……。本当に自分がバカみたい……。大好きなのに……。伝えたいのに……】  ここで日記は終わっていた。 涙が……。涙が止まらねぇ! 「真央……。お前の気持ちに気付いてやれなくてごめんな。本当にごめん。なんでかなぁ……。こんなに二人思い合っていたのに気持ちが伝わらなかったのは……。でも、俺にはわかる気がする。きっと逃げていたんだな。俺もお前も。気持ちを伝えたら俺たちの関係が0%になりそうで……」
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