第二序章~真央のstory~

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真央が産まれる前――。 「子供ができた?おろせ!金は俺が準備する。おろすんだ」 「私はこの子産みたいの…」 「俺はまだやりたいことがいっぱいある。お前と結婚する気はないんだ…」 「…。あなたがなんと言おうと私はこの子を産むの!」 「勝手にしろ!もう俺たちは終わりだ」 「さよなら…」 真央の母親が真央を身ごもったのは19歳の時だ。その時付き合っていた彼は産むことを反対した。しかし、母親は彼との別れを決め、産むことを決心した。 「かわいい女の子ですよ」 「この子が私の子供…。産まれてきてくれてありがとう…」 こうして真央はこの世に産まれた。 「たくちゃん。そろそろ帰ろうか」 「もう少しここにいよう」 「えっ?うん…」 「綺麗だな」 「えっ?それ告白?」 「なぁんだ。ちょっと期待して損した」 でも嬉しかった。自分のことじゃなくてもなんか嬉しかった。 ――。 真央と母親の別れもすぐだった。 「真央…。母さん真央が大好きよ…。でも、もう一緒にいれないの…」 この時、真央が4歳の頃。
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