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「ほら、行って!真央はこれからおじいちゃんとおばあちゃんと暮らすのよ。早く行って!」
幼い真央は何がなんだかわからず、また母親が戻ってくると思い込んでおじいさんおばあさんの家へ行った。
「ごめんね…真央。幸せに暮らしてね…」
母親はそう言い残して姿をくらませた。母親は新たな恋人と駆け落ちしたのだった。
「ねぇ、たくちゃん。たくちゃんは好きな人とかいないの?」
「なんだよいきなり!」
「私はいるわよ」
私はたくちゃんが好き…。好き…。好き!
「へぇ、だから?」
え?たくちゃんは私のこと何とも思ってないのかな?
「嫉妬しないの?」
「は?ばかじゃねぇの!なんで俺がお前に嫉妬なんかしなきゃならないんだよ」
そうだよね…。やっぱそうだよね…。たくちゃんが私なんか…。何勘違いしちゃってるの私。自分で笑っちゃうよ…。
「もう帰ろうよ。私、おばあちゃんに怒られる」
一人になりたい…。本当はもっと一緒にいたいよ…。でも、涙が出そうだから…。
「う…うん。そうだな。そろそろ帰るか」
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