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「ねぇ……。神様っているのかなぁ、神様はこの星空の上で私を見ているのかな?」
「神様なんていねぇよ」
「なんでそう思うの?」
「だって神様がいるなら世界中こんな不公平じゃないはずさ」
「そうだよね……。たくちゃんはつらい思いしてきたからね……」
真央は空を見上げながら言った。
「同情するなら、愛をくれ!」
俺は無理矢理笑顔を作ったあと、空に向かって叫んだ。
「なにそれ」
そう言って真央が笑った。
神様。そんなのいるわけねぇ! 俺は絶対信じない。
現在、拓也16歳。
四年前――。
「拓也! まだ掃除してねぇのか!」
父親がすごい形相で拓也に向かってくる。
「ごめんなさい。ごめんなさい。すぐ片付けるから」
「おい! 俺をなめんじゃねぇよ! 朝言っただろ俺が帰って来るまでに家を掃除しとけって」
父親は拓也を殴った。一発じゃない。何度も何度も。
「ごめんなさい。ごめ……んなさい」
気が済んだのか父親は殴るのをやめた。
「お前はこれから学校に行くな。行ったらどうなるかわかるだろうな?」
「え?」
「なんか文句か?」
父親は拓也を睨み付けた。
「わかった……」
拓也は殴られた傷が痛むのを耐えて言った。
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