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「お花畑があってね。たくちゃんたちの声が聞こえたの。たくちゃんの話聞いてね、死にたくないって思ったよ。たくちゃんに私の気持ち伝えたいって。きっと神様が私を助けてくれたんだと思う」
「俺も神様にお願いしたんだ。きっと神様が真央を助けてくれたんだね」
事故のあと、意識の戻った真央はみるみるうちに回復していった。
しかし、これから始まる病には気付いていなかった。拓也と真央の二人がこれから歩む未来、神様はそう簡単にはいかせてくれないのだった。
「じゃ!俺今日は帰るよ」
「えっ!もう帰るの?少しは話相手になってよ」
「悪りぃ、今日は勘弁。明日いっぱい一緒にいてやるよ」
「わかった。帰り道気をつけてね」
拓也は病室から出た。そろそろクリスマス。バイトをして稼いだお金でプレゼントを買ってあげようと思う。
「あぁあ、プレゼント何にしよ」
拓也は独り言を言った。
「おもちゃじゃないよな…指輪にしよ」
拓也は指輪を見始めた。
「うわっ高けーな」
思わず本音が言葉に出てしまった。
周囲の人は拓也を見ている。
棚の一番端に拓也の小遣いでも買えるくらいの指輪があった。ハートの指輪。
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