68人が本棚に入れています
本棚に追加
「わかったなら早く掃除しろ! ご飯作れ! 洗濯も早くやれよ!」
そういって父親は布団の中に入った。
この時拓也は小学6年生だった。
父親が変わったのは5年前。拓也が5年生だった頃。拓也の母親は病気で死んだ。それから父親は変わった。酒に溺れ、仕事もろくにせずにパチンコ、競馬など賭け事に打ち込むようになった。そしてこのころから拓也への暴力も始まった。
神様! 俺はお前を信じない! 絶対信じない。
「たくちゃん。そろそろ帰ろうか」
真央が立ち上がり言った。
「もう少しここにいよう」
「えっ? うん……」
「綺麗だな」
「えっ? それ告白?」
「はっ? バカかお前。星だよ星」
「なぁんだ。ちょっと期待して損した」
真央は少し顔を赤らめていた。
――。
「お前はこの世に必要ないんだ。死んだ方がましだ。死ね死ね」
拓也が中学になったころ。もちろん父親に学校に行くことは許されていない。
父親の暴力ももっとひどくなっていた。
「泣くな! うるさい!」
父親は泣く拓也の足に煙草をおしつけた。
「あぁぁぁ」
拓也の身体中に激痛が走る。
最初のコメントを投稿しよう!