序章~拓也のstory~

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「わかったなら早く掃除しろ! ご飯作れ! 洗濯も早くやれよ!」  そういって父親は布団の中に入った。  この時拓也は小学6年生だった。  父親が変わったのは5年前。拓也が5年生だった頃。拓也の母親は病気で死んだ。それから父親は変わった。酒に溺れ、仕事もろくにせずにパチンコ、競馬など賭け事に打ち込むようになった。そしてこのころから拓也への暴力も始まった。  神様! 俺はお前を信じない! 絶対信じない。 「たくちゃん。そろそろ帰ろうか」  真央が立ち上がり言った。 「もう少しここにいよう」 「えっ? うん……」 「綺麗だな」 「えっ? それ告白?」 「はっ? バカかお前。星だよ星」 「なぁんだ。ちょっと期待して損した」  真央は少し顔を赤らめていた。 ――。 「お前はこの世に必要ないんだ。死んだ方がましだ。死ね死ね」  拓也が中学になったころ。もちろん父親に学校に行くことは許されていない。  父親の暴力ももっとひどくなっていた。 「泣くな! うるさい!」  父親は泣く拓也の足に煙草をおしつけた。 「あぁぁぁ」  拓也の身体中に激痛が走る。
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