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「あっ! 流れ星!」
そういって真央が空を指差した。
「どこだよ?」
「もう消えたよ」
「ちぇっ! つまんねぇ」
「私、願い事しちゃった」
真央はうれしそうに言う。
「何をお願いしたんだよ?」
「秘密」
「教えろよ」
「知りたい?」
「うん」
「たくちゃんとずっと一緒にいられますようにってお願いしたのよ」
そう言って真央は歩きだした。
「おいっ! なんだよそれ!」
「ウソよ! 何照れてるの? もしかして本気にした?」
真央は大笑いしている。
「するかよそんなの!」
帰り道いろんな話をした。友達の話、テレビの話。やっぱり真央といると楽しい。それに悲しい。真央に好きな人がいると知ったとき、泣きそうだった。なんか胸が苦しかった。
「ただいま……」
拓也が家のドアを開けたと同時に拓也めがけて酒瓶が飛んできた。
「拓也! 掃除も洗濯もしねぇでどこほっつき歩いてたんだ?」
「友達と……」
「あ? 友達? 学校行ってねぇくせに友達いるのか? お前には友達なんて必要ない。これから外出も禁止だ」
そういい父親はまたいつものように拓也を殴り始めた。
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