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拓也が目覚めたのは朝だった。
昨日殴られていた玄関で横たわって寝ていた。身体中に激痛が走る。
それでも拓也は起き上がり、いつものようにご飯を作り、洗濯をして掃除をした。
もうこんな生活嫌だ。
なんで俺だけが……。
答えれよ!
殺せばいい? 殺せば俺は自由になる?
……。
殺せる物、殺せる物、なんかないか? なんでもいい。今すぐ俺は自由になりたい。台所にいつも使っている包丁がある。これだ! これで一思いにに刺してしまえば俺は自由になれるんだ。
拓也は包丁を手に取り、父親が寝ている部屋のドアを開けた。
「えっ?」
ドアを開けて目の前に広がったのは首をつって死んでいる父親の姿だった。多分もう息などしていない。死んでいる。
拓也は何がなんだかわからなかった。自殺?
110番通報して警察が家に来た。
「どうやら自殺ですね。お父さんは借金を苦に自殺したみたいです。机の上に遺書が残されていました」
警察からはそう聞かされた。
まぁ、とりあえず良かった。父親が勝手に死んでくれて。これから俺は自由だ。
「たくちゃん! お父さ……んが亡くなったって聞いて走って来たの!本当?」
真央は息をぜぇぜぇさせながら聞いた。
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