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「お前情報早いな」
「そんなのどうでも良いでしょ。本当なの?」
「あぁ本当だ」
「たくちゃんこれからどうするの?」
「え? どうするのって?」
「住むところとか!」
「あぁ、どうしよう……」
そんな事まで考えていなかった……。とりあえず父親が死ねば良いと思ってた。そういえば父親が死んだら住むところもなくなるんだ。
「私の家に一つ空き部屋があるの。そこにたくちゃんが落ち着くまで少しの間泊まらせてあげる。おじいちゃんとおばあちゃんにも了解済みだから大丈夫」
そっか、真央は父親、母親いなくておじいちゃんおばあちゃんと暮らしているって言ってたな。父親、母親がなんでいないか真央は今まで一度も口を開いたことがない。まぁ、俺もそんな知りたい訳でもないし。
「まじ? サンキュー」
真央の家って事は真央と一緒にいれるってことだ。少しわくわくしてきた。
父親が死んだこと、これから真央と一緒にいれること、やっぱり本当は神様はいるのかな? そんなことを思った。
「ただいま」
「おじゃまします」
俺たちは真央の家に入って真央のおじいちゃん、おばあちゃんに挨拶をして二階へ上がった。
「ここがたくちゃんの部屋ね」
ベッド、机があるだけで殺風景な部屋だった。
「ありがとう」
「私の部屋は隣だから」
「あ、そう」
「なによ、その興味なさそうな返事は」
真央はおもしろくなさそうに言った。
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