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「……こ…」
目を閉じたまま、なつは小さい声で何か言った。
「は…??ぉぃ…??なつ…??」
「…………」
「なつ!!!夏希っっっっ!!!!!!!!!」
俺は、頭が真っ白にそまっていくのを感じた。
ただ、視界に入るのは、動かなくなったなつ。
それと、泣き出す女の人。
「な…つ…」
ピーポーピーポー
ガチャッ。バンッ!!!
「…もしもし!!?あなた、この人とお知り合いですか…??」
気が付けば救急隊の人が俺に喋りかけていた。
「はっ…あ。はい…。幼馴染みみたいなもんです。」
「一緒に来てもらってもいいですか…??応急処置はを施したんですが……っ…。」
「…はい……。あ…ちょっと待っててください…。」
俺は携帯を出すと親父に電話をした。
「あ…親父…夏希にあってさ…あいつ…わざわざ俺の目の前で最後を見せてくれたよ…ははっ…だから、今日は仕事休むわ…。」
親父の返事を聞く前に携帯を切る。
「あ…ああああっ…夏希っ…なつぅっ…」
気付いたら涙がとまんなくて、現実が俺を襲ってきて、受けとめられなくて、助けてやれなかった自分が情けなくて、大声で泣いた。
落ち着いた俺は、救急隊の人の指示に従って移動する事になった。
その時、道に落ちていた、なつの携帯を拾った。
その携帯は、《メール2件、着信あり5回》
そうあった。
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