宿命

凛子

『うん。いぃよ♪』
「まじで!?」
なっちゃんはﾊﾟｯと口元に当ててた手を退けた。
『うん♪なっちゃんの奢りね??』
「任しとけ♪」
退けた手から見えたのは太陽みたいな、優しい笑顔。
そんな笑顔に胸が痛んだのは…気のせい??

「ﾎﾞーっとしてないではやく乗れよ(笑)」
そんな言葉にﾊｯと現実に戻された。
『あ…うん;』
見慣れたなっちゃんのバイクの後ろにまたがる。
「つかまってねーと落ちっぞ??」
『…うん。』
そっと、なっちゃんの腰に手を回す。
…ほんとは少し迷ったんだ……。
こんなことしたら、なっちゃんが苦しむんじゃないかって。
「んじゃ、行きますか。」
その合図でバイクは走り出した。
凛子の淡い胸の痛みを置いて…