『第⑬章・聖夜🎄』

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リョータの表情が少しずつ険しくなっていく。 「身体弱いくせに、いつも強がってばっかり…俺の前で弱音はいたり、涙を見せた事もなかった…体調も不安定だったけど、時折元気で病気が治るってくらいな時もあった… だけど、病魔は少しずつミユキの身体を蝕んでいった。 けどミユキも病気には勝てなかった。」 一瞬、リョータの声が途切れる。 「あいつ…死ぬ直前、苦しくて辛いはずなのに… なぜか笑ってたんだよな… そして、最後に言った言葉… 『リョータも大好きな人とずっと一緒にいてね…」 そう言い残し…ミユキは死んだ」 光は、黙って耳を傾ける。 「ミユキは、知っていたのかもしれない…俺が光と付き合ってた事を・・だから、あんな事言ったんだと思う… 過去の過ちは、けして許されるものではない… だけど、もう光を裏切らない! …………好きだ!」 リョータは、光を強く…強く抱きしめた。 「もう離れたりしない…ずっとお前を守るから…」 そう耳元で呟いた。 強く打ち付ける雨 この時、光には別の感情が生まれていた。 雨の中自分を待ってる直人の姿を… 自分は最低… 何回そう思ったか分からない… だけど、溢れる想いは止められなかった… 直人への思いが、リョータの愛を上回った瞬間 リョータは、目を閉じ そっと唇を運んだ。 「ダメだよ… ……………ゴメン」
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