『最終章・First Love』

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光は、静かに直人の元へ歩いていく 距離が少しずつ縮まっていく。 その時、足音に気付きお互いの目があった… 直人は、光の姿を見て一瞬驚いた表情を見せたが、すぐさまニッコリ笑った。 「なんで…なんで待ってたのよ!こんな土砂降りの中で何時間もずっと…」 「バ~カ…遅せぇんだよ。言ったろ?ずっと待ってるって…俺が自分で言った事だ!気にするなよ~」 「もし…もし私が来なかったらどうしたのよ?」 「来なかったら?そんな事考えてなかったな~でも、答えは変わらないよ…俺は、光を信じてた..例え来なくても、お前を信じて待ってた思う…俺には、それしかできないから」 再び直人がニッコリ笑った。 『…なんで、笑ってるの?こんな土砂降りの中ずっと一人で..本当は辛かったはずなのに・・ でも、なんか分かった気がする。人を信じられない事は、悲しみしか生まない…だけど、人を信じる事ができれば喜びを生む事ができるんだって… 直人は、教えてくれたんだよ…直人が、私を変えてくれたんだよ?』 「光…せっかく逢えたんだ。俺の前でそんな悲しそうな顔するなよ~笑ってくれよ…なっ?・・・」
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