17品目 解答用紙

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 由貴とその後ろをついていく人物は、そんなありきたりな光景が繰り広げられている場所を通りすぎると、窓際の四人席の前で立ち止まった。 「おい、由貴。待て……」  由貴の後ろにいた人物は由貴に追いつくと、その肩を掴んで自分の方へと軽く引いた。すると、由貴が居たため見えなかったテーブル席の状況が自ずと視界へと入ってくる。  その人物は今の状況に驚いたように目を見開いていた。 「よお」 「竜……」  そこには四人席の左側のソファに座ってテーブルに頬杖をつき、由貴とその人物を見上げている竜がいた。  竜は唇の端を吊り上げて、小さく笑う。 「お前と放課後、過ごすなんて久しぶりなんじゃねえ? ……なあ、久志」  竜が見上げた先には呆然と佐川久志が立っていた。
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