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二人が毎回放課後に通っている場所、ファミレス「ジャンゴ」は全国チェーン店というわけではなく、地域密着型のローカルな店のためか、時々こうしてドリンクバーのジュースが切れるときがあった。他のジュースがなくても文句を言わないくせに、メロンソーダにやけに執着を見せる由貴に竜は理解できないとばかりにため息をつく。
「マジでツイてねー……。ヤバイヨヤバイヨ。メロンソーダが切れたときって大体良くねえことが起こるんだよなー」
「たかだかジュースぐらいで運勢左右されて堪るかよ」
竜はまだブツブツと文句を言っている由貴にどうでもよさそうに返事をすると、視線を雑誌へと戻した。
「確か前切れた時はカレー食ってて、配分間違えてライスが余ったんだよな……おそろしや……」
「っせえ。お前のさじ加減じゃねえか」
両手でハワイアンブルーの入ったグラスを持ち、神妙な面持ちでそれを眺める由貴に竜は苛立ったような表情を向ける。
竜はこの時まさか自分に、由貴の言うメロンソーダの呪いとやらが降り懸かるとは思ってもみなかった。思うはずもなかった。当たり前である。
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