2品目 メロンソーダの呪い

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「やっぱメロンソーダだよな!」  金曜に来た時はなかったメロンソーダがどうやら今日はあったらしく、由貴はいつもの席に座り、機嫌良さそうに発色の良い緑色のジュースを飲んでいた。  竜はアイスコーヒーを手に持ち、先に座っていた由貴の向かい側に座ると、鞄から雑誌を取り出した。 「よくその雑誌読んでんね? エロ本? きゃ、大胆ね!」 「ちげえよ。黙れ」  メロンソーダからすでに興味が失せたらしい由貴が頬杖をつきながら、竜が読んでいる雑誌へと視線を向ける。 「おもしれえの?」 「別に。載ってるもん大して他と変わんねえよ」 「ふーん」  大して面白くもないならなんでそんな熱心に読むんだろう、と思いながらもさして興味はなかったのか、由貴は口にストローをくわえたまま雑誌を読んでいる竜をぼんやりと見た。  そこでふと何か違和感を感じる。  由貴は普段とどこか違う竜を凝視していると、その違和感の正体に気が付いた。 「なあなあ、竜ネックレス変えた?」 「あ?」 「それそれ」  由貴は雑誌から顔を上げた竜の首元を指差す。  竜の首元にぶら下がっていたのは、細めのチェーンに銀のプレートのついたネックレス。今までつけていた竜のネックレスは似たようなチェーンに小さな十字架がついていたものだったのだ。  由貴は竜が高校に入ってからずっと同じものをつけていたためよく覚えていた。
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