嗤ウ偶像

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土を濡らす涙と血を 誰が望むというのだろう 愛し合う彼と彼女が 望まぬ結末を迎えた 大国は血の贖いを求め続け 憎しみを吐き出し続ける 今は亡き双子を想い 正義の凶器を振りかざす 歪んだ鏡に映し出せば 殺意すら正しく見えるだろう 今日や明日に産まれた子供たちに 一体何を見せればいい 神は飢えた獣となり果てた マリオネットが欲しいなら 糸と木はくれてやる 偶像たちよ 墓石はここにある 愚かしさを抱いた人々よ いつまで虚構に踊るのか 血の池を泳ぎ切れ 信じる愚物のために奪え 何も見出せなくなったがらくたを 生涯醜い手で握り続けて 「神の名の下に」 免罪符は汚れてしまった 許せぬ束縛と 正義という名のエゴは決して消えないけれど その手を染めた血も拭えはしない 笑顔さえ生まれれば 復讐の理由が存すれば 残忍な行為は認められるのか ただひたすらに手を合わせ祈り 明日の生を願う人々に いつまで泥を被せ続ける 誰がために神は在る 貴様は死を望み 貴方は涙を落とす 道化師は今夜も舞い踊る 悲劇が積み重なり朝を迎えた 瓦礫に埋もれた無名の人に 安らかな眠りを教えてくれ 彼の地が罹った病を 治す薬を誰も持たない 毒ばかりがもてはやされ その身は悪意に蝕まれていく 誰もが望む「当然」は わずかな意志で破壊される 今日生まれた子供は 泣く暇すらなく逝ってしまった その先に何がある 西洋将棋の駒のように 戦士は盤上に散っていく けれど王の姿はどこにもない 祈りで人は癒されるのか 報復で命が戻るのか 還る場所を見失った人々は 何を枕にすればいい 血が流れぬ幻よ 人の前から消え失せろ 刃を振るう者よ 思い出せ 目の前で震える人の血の色を 貴方と何の違いがあるのか 堕ちた神の宴は もうそろそろ終わりにしないか
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