3502人が本棚に入れています
本棚に追加
「さぁ、今日から飛び方を教える。いいな?」
「うん!」
あの日から一ヵ月間、サタンは癒羅に栄養の調った食事と十分な睡眠を与えた。
すると癒羅の痩せ細った身体はそれなりに肉付き、少しくすんでいた髪も透き通った銀色に戻った。
少し伸びた髪はくすぐったかったが、わざと髪の話はしなかった。
サタンの様にのばしたかったから。
癒羅はサタンに憧れた。
切れ長の目にも、しなやかな髪にも、力強く冷たいオーラにも。
癒羅はサタンの様になりたかった。
今日から、サタンに近付く為の修行を始める。
サタンの様になれるのなら、どんな辛い事にも耐えてみせようと癒羅は誓ったのだった。
最初のコメントを投稿しよう!