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数えきれぬ程の絶頂を迎え、俺の体力でさえ疲れてきた頃、ようやく聖は意識を失った。
息を切らし、聖の横へ横たわる。
「はぁ…はぁ…これ程の体力を使ったのは何百年振りか……」
まさか情事ごときでこれ程の体力を消耗させられるとは…
我ながら笑えた。
当の本人は何事もなかったかの様に寝息をたてている。
先程までの光景が嘘の様に穏やかだ。
しかし…聖が目覚めた時、どうなっているだろうか?
完全に精神は崩壊されてしまったのだろうか?
少なくとも俺の血液による媚薬効果が残っていれば目を覚ました途端に俺を求めるだろう。
「もとに戻ってくれるとありがたいがな……」
精神崩壊というと精神病院にいた渚の事を思い出す。
今となっては真っ白い羽を羽ばたかせ、俺とは真逆の世界の住民だ。
聖は魔界のものだ。
天界などにくれてたまるものか……
しかし、死者になりきれずこのまま人間として精神が崩壊してしまえばいずれは俺自身が天界へと魂を運ぶはめになるのだ。
死神と身体を重ねた女が天使になれるはずもない。
やはりお前の居場所はここにしかないのだ…
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