私とご主人様と10年後

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「s1403、どうしたの、ボケッとしてる・・・」 お声をかけて下さったのは臣様。 私は仮ではありますが臣様の世話係を申し使っている為 今も、臣様の学校の宿題とやらのお手伝いをしているところでした。 「申し訳ございません、臣様。物思いにふけってしまいました・・・」 臣様は、ふぅん、とつまらなそうに呟き握っていたペンをデスクの上に転がし私の方へ向き直り 「当ててあげる、お父様の事を考えていたんでしょ?」 あからさまに嫌な顔を為さる。 「・・・・どうして、そう思われるのですか?」 「お父様から聞いたことがあるんだ、ユサ、って子の話・・・お父様が初めて愛した人。・・・・・お父様はその子が誰だか教えてくれないけど、オレは知ってるよ、ユサはs1403。s1403はユサ。」 驚きました。 旦那様が私の話をしていたなんて・・・・・ ユサが私だと知られていたのも。 それになんだか、臣様が8歳だとは思えないほど、大人びて見えてしまいました・・・・
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