私とご主人様と秘め事

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「ねぇ、オレも'ユサ'って呼んでいいよね?」 そう言われたのがつい2日前。 ユサと呼ばれると、懐かしい響きと、あの頃の思い出につい年甲斐もなく頬を赤らめてしまう・・・ 臣様は旦那様の息子なだけあり声質がとてもよく似ていらして・・昔に戻れたような 妙な錯覚にとらわれがちになる。 「やはり、いけません。私は使用人でしかないのです。他の物同様に接していただかねば・・・」 私がそう言えば 臣様は不貞腐れたようにそっぽを向き 食べかけていたトーストを皿の上に置いて立ち上がる。 「お父様には簡単に足を開く癖に、オレには名前すら呼ばせてくれないんだ。」 その一言に全身の血が沸騰する 足を開くと言うのは・・・・・・・ セックスの意味・・・・・? 「っ、!臣様!そんなはしたない言葉どこで!!」 「今時知らない方が珍しいよ。それに、経験がある奴も少なくないし。」 慌てて追いかけた私に臣様は嘲笑うかのような笑みを見せる。 このやり取りで 私の中にいた純真無垢で愛らしい臣様が 跡形もなく消え去った。
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