249人が本棚に入れています
本棚に追加
やがて学校は終わり、それぞれが好きなことをやる時間がやってきた。
「彰、今日暇?あのさ、華月女子高と合コンあるんだけど……」
「ゴメン、無理」
「ちょっと、ノリ悪いな」
ノリ。日本が作り出した最も愚かな文化だ。
「用事あるから」
荷物を鞄にまとめ、竜の返事に構うことなく教室から走り出た。
俺は、何やってるんだ?
あの夢を信じるのか?
あの夢の通りなら、シャドウと大男が戦った場所は俺もよく知る場所。
昔、紗英によく遊んでもらったあそこだ。
紗英にも世話見のいい時期があったなんて信じらんないよ。今では。
とにかく、あそこへ行くんだ。
向かう先は俺達の住む住宅街の近くを流れる川を渡す橋の下。
あの河原で俺達はよく遊んだ。
かなり曖昧な記憶だけど、直感が俺にそう告げる。
そこに何かある。きっと。
最初のコメントを投稿しよう!