249人が本棚に入れています
本棚に追加
バスから降りてかなりの距離を走ったから、息が切れて汗もびっしょりかいた。
見ただけでは何のへんてつも無い、ただの河原。
シャドウ達の死体はもちろん、戦った形跡すら見当たらない。
しかし、何かを感じる。
陰気な空気か、はたまた昔の記憶か。
楽しかったあの頃と何も変わらない場所。それなのに、一刻も早く立ち去りたい。そんな気持ちでいっぱいだ。
それでも俺は探さなければならない。
手がかりを。
落ち着かない気持ちを沈めるためにはそうするしかないのだ。
草むら、コンクリートの壁、終いには川の中まで調べた。
まだ春先のクソ寒いこの時期に、だ。
しかし、それらしきものは見当たらない。
ここだと思ったんだけどな。
最初のコメントを投稿しよう!